クリティカルシンキングとは?メリットや習得方法、実践ポイントを解説

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物事の本質を見極め、客観的な判断をするのに役立つ「クリティカルシンキング」。

ビジネスにおいても有用な思考法ですが、クリティカルシンキングの意味や実践方法を正しく理解している人はそう多くはないでしょう。

この記事では、クリティカルシンキングとロジカルシンキングの違い、クリティカルシンキングのメリットや実践するためのポイントを解説します。

クリティカルシンキングとは

クリティカルシンキングとは、考えの前提や根拠に対して「本当に正しいのか」と疑問を持ちながら、物事を論理的、客観的に理解し、判断しようとする思考法のことです。

日本語では批判的思考と訳されるため、意見を否定するといったネガティブなイメージを抱く人もいることと思いますが、相手を否定するためのものではありません。

クリティカルシンキングは、常に疑問を持つことによって考えの偏りや偏見をなくし、物事の本質を見極めるために使われるスキルです。

ロジカルシンキングとの違い

ロジカルシンキング(論理的思考)とは、物事の要素を分解して整理し、矛盾のないよう道筋を立てて結論を導き出す思考法のことです。

ロジカルシンキングでは根拠となる情報から正しい結論を導き出すことを目指しますが、クリティカルシンキングでは、根拠の正しさや自分のバイアスを疑いながら、物事の本質を見極めようとします。

論理的に考えを進めるという点では共通していますが、前提を疑うかどうかという点が異なります。

クリティカルシンキングとロジカルシンキングは相反するものではなく、組み合わせて使うことによってより良い判断ができるようになるのです。

クリティカルシンキングが必要な理由

近年はVUCA時代と呼ばれ、環境の変化が激しい状況であり、未知の問題と向き合う場面が多くなっています。

未知の問題を解決するには経験や知識に頼るのではなく、客観的な視点を持って論理的に考える必要があり、そのためにはクリティカルシンキングを使って考えることが役に立ちます。

今後は、クリティカルシンキングによって多角的、本質的に考えることの重要性が増していくでしょう。

クリティカルシンキングのメリット

クリティカルシンキングによって得られるメリットを5つご紹介します。

物事の本質を見極められる

クリティカルシンキングでは物事の前提に対しても「本当に正しいのか」と問うため、物事の本質に近づきやすくなり、より的確な判断をすることにつながります。

コミュニケーションが円滑に進められる

クリティカルシンキングは物事を客観的に捉えることを重視した思考法なため、主観や私情が含まれにくくなります。

そのため、コミュニケーションや問題の解決をスムーズにすることが可能です。

矛盾や漏れを見つけやすくなる

クリティカルシンキングを行う際には、論理的に「モレなく、ダブりなく」考えるため、矛盾や情報の抜け漏れを見つけやすくなります。

リスクを回避できる

クリティカルシンキングによって多角的に物事を捉えることは、それまでの考え方では気づけなかった問題を見つけて、リスクを回避することに役立ちます。

新たな視点や発想を生み出せる

クリティカルシンキングを使うと思い込みを減らすことができるため、新たな視点や発想を生み出せる可能性が高まります。

新しいアイデアが最良の答えとは限りませんが、多様なアイデアを比較検討することで、より効果的な対策や対処ができるようになるでしょう。

クリティカルシンキングの身につけ方

クリティカルシンキングにおいて重要なポイントを4つご紹介します。

クリティカルシンキングを習得するためには、これらのポイントを意識することが大切です。

常に疑問を持つ

考えの前提や根拠に対して「本当に正しいのか」と疑問を持つことは、クリティカルシンキングの基本姿勢であり、常に意識すべき重要なポイントです。

論理的、客観的に考えるためにはバイアスに気づく必要があり、そのためには自分の意見に対しても疑問を持って反論してみることが有効です。

また、考えを進めていく中で違和感を感じた場合は、繰り返し問いを立てて深堀りしていくことで、間違った方向に考えが進むのを防ぐことができます。

事実をもとに考え、発言する

クリティカルシンキングでは感情に左右されずに判断することが重要であり、そのためには事実をもとに考え、発言する必要があります。

客観的な事実か主観的な意見かを分けて考えることを意識しましょう。

正確な情報を集める

適切な意思決定をするためには「根拠となる情報は正しいか」を考える必要があり、情報を集める段階から前提を疑うことを意識しなくてはなりません。

自分の経験や期待による思い込みで、情報の選択に偏りがでることのないように注意が必要です。

また、「他に重要な情報はないか」と問うことで、意思決定に必要な情報が不足していないか確認することも、情報収集をする際に気をつけるべき点です。

第三者視点を意識する

考え方の偏りは誰にでもあるものであり、主観的な考え方になることを避けるのは難しいことです。

ですが、物事の本質を見極めるためには論理的、客観的に考えることが重要であり、客観的なものの見方をできるようになる必要があります。

客観的な視点を持つためには、「あの人ならどう考えるだろうか」などと他人目線で考えることを意識するとよいでしょう。

クリティカルシンキングの実践ポイント

クリティカルシンキングを実践するにあたっておさえておきたい3つのポイントを解説します。

目的を決める

クリティカルシンキングを行うときは、あらかじめ思考する目的を明確にしておきましょう。

クリティカルシンキングをすることばかりに意識が向いてしまうと、着地点を見失って無意味に思考を続け、結論にたどり着かなくなることがあります。

検討すべき課題や議論のゴールを確認することで、論点がずれずに議論をスムーズに進めることができます。

思考の癖や偏りに注意する

「誰もが多かれ少なかれ考え方の癖をもっているものだ」ということを念頭に置き、「別の見方はできないか」「より良い案はないか」などと疑問を持つことが重要です。

思い込みに気づくためには、仮説・検証のプロセスを繰り返すことが効果的です。

仮説から結論を出すだけで終わらずに、結論は本当に正しいのかを検証することで、思考の偏りを見つけることができます。

問い続ける

結論に至っても考えるのをやめず、問い続けることが重要です。

繰り返し考えることで、思い込みに気づいたり新たな考えが出てきたりして、物事の本質に近づくことができます。

考えを深堀りする際には、「So what? (だから何?)」「Why? (なぜ?)」「True? (本当に?)」の3つの問いを使うことが効果的です。

まとめ

クリティカルシンキング(批判的思考)とは、考えの前提や根拠に対しても「本当に正しいのか」と疑問を持つことで、考えの偏りや偏見をなくし、物事を論理的、客観的に判断しようとする思考法のことです。

環境の変化が激しく、未知の問題と向き合う必要のある近年においては、多角的、本質的に考える力が求められており、クリティカルシンキングを身につけることの重要性が増しています。

クリティカルシンキングを実践する際は、「クリティカルシンキングを行う目的を明確にすること」「思考の癖や偏りに注意すること」「常に疑問を持ち問い続けること」が重要です。

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