ジョブクラフティングとは?進め方や注意点を解説

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ジョブクラフティングとは

ジョブクラフティングとは、仕事に対する認知や行動を従業員が主体的に修正することで、やらされ感のある仕事をやりがいのあるものへ変容させる手法のことです。

自分の仕事に意義を感じ、主体的に業務に取り組むことで、モチベーションや生産性、組織への満足度が向上することが期待できます。

ジョブデザインとの違い

ジョブクラフティングに類似した言葉に、ジョブデザイン(職務設計理論)があります。

ジョブデザインは、従業員がやりがいを感じられるように、経営者が仕事を設計し割り振ることを指します。

ジョブデザインは経営者が主体となって行動するため、従業員は受け身になりますが、ジョブクラフティングは従業員の主体的な行動を促すものです。

どちらも働きがいを生み出すための手法ですが、主体となる存在が違うので、大きく異なる考え方と言えます。

注目される背景

これまでは、組織から与えられた仕事をこなすことが成果へとつながっており、仕事を通じてやりがいや貢献感を感じることができました。

しかし、近年トップダウン方式は薄れつつあり、従業員が主体となって仕事のやりがいを創出するジョブクラフティングが注目されています。

組織と従業員の関係性の変化

終身雇用制度が崩壊し、働き方が多様化したことで、受け身の姿勢ではキャリアアップが望めなくなりました。

そこで、従業員自身が主体的に仕事のやりがいを見つけ出すことが重要になっており、ジョブクラフティングが注目されています。

仕事の複雑化や個業化

仕事が専門化・複雑化したことにより、自分の仕事がどのような結果につながっているのかがわかりづらくなっています。

また、仕事が個業化したことで、他の従業員がどのような仕事をしているのか見えずらくなったり、職場の人間関係が希薄になったりしています。

そのため、ジョブクラフティングによって仕事や職場の人間関係を見直そうという取り組みが広まっているのです。

3つの次元で変化を起こす

ジョブクラフティングの目的は、以下の3つの視点から仕事の見直しや修正をすることです。

仕事の内容や方法

必要な仕事を追加したり、不必要な仕事を削るなど、作業内容を工夫することを「作業クラフティング」と言います。

タスクの量や内容、方法を工夫することで、仕事は充実したものになります。

人間関係

人間関係への意識とアプローチを変えるのが「人間関係クラフティング」です。

顧客や同僚とのコミュニケーションを増やせば新たな刺激が得られますし、円滑なコミュニケーションによってモチベーションやパフォーマンスを上げることもできます。

仕事の捉え方

仕事の捉え方や考え方を見直し、仕事の意義を再定義することを「認知クラフティング」と言います。

「仕事をするうえでの喜びは何か」、「自分の仕事は何の役に立っているのか」などを問い直すことで、やりがいを感じやすくなります。

ジョブクラフティングの進め方

ジョブクラフティングを進めるステップは、次の4つに分けられます。

タスクをすべて洗い出す

まずはじめに、自分の業務内容を洗い出します。

細かいタスクも含めて、仕事をする上で発生する作業をすべて書き出しましょう。

業務内容だけでなく、その業務に関わる人たちについても書き出すことで、組織全体の動きを把握できます。

情熱、強み、動機などの自己分析

  • 仕事をするうえで何がモチベーションになっているか
  • 自身の強みとなるスキルや経験は何か
  • 仕事をする上で大切にしたいことは何か
  • 仕事を通して得たいものは何か

などを書き出して、自分自身を見つめ直します。

仕事の捉え方の見直し

自分の仕事をやりがいのあるものにするために、業務をポジティブに捉える工夫をします。

洗い出したタスクと自身の関心や強みを結びつけることで、仕事に意義を感じられるようになり、モチベーションを向上させることができます。

仕事の内容や方法・人間関係の見直し

仕事の捉え方を見直して仕事の意義を見出すことができたら、その考え方をもとに業務の内容や方法を見直していきます。

仕事を楽しみつつ、成果を上げられるように、具体的なやり方を考えます。

それぞれの業務で、誰とどのように関わるのかも見直して、良好な人間関係を築くことができれば、よりやりがいを感じられるようになるでしょう。

ジョブクラフティングの注意点

ジョブクラフティングは、企業にとっても従業員にとってもメリットが大きいですが、注意点も把握しておく必要があります。

仕事の属人化

仕事の属人化とは、業務の内容や進め方が、その仕事を担当している人にしかわからなくなっている状態のことです。

そのような状態になると、担当者が休暇を取ったり退職したりした際に、他の従業員が対応できなくなってしまいます。

個人の成長だけでなく、組織全体のことも考える必要があるので、情報を共有する場を設けることが大切です。

やりがい搾取

やりがい搾取とは、やりがいこそが報酬であるとして、低賃金や長時間労働といった悪条件での労働を強いることです。

ジョブクラフティングにおいて、やりがいは従業員自ら見つけ出すことが大切なので、企業がやりがいを押し付けてはいけません。

やりがいと報酬は別物であるという認識を持つことと、従業員の主体性を大切にすることを心がけましょう。

まとめ

ジョブクラフティングとは、「仕事の内容や方法」「人間関係」「仕事の捉え方」の3つの視点から仕事に対する認知や行動を修正し、従業員が主体となって仕事をやりがいのあるものへと変える手法のことです。

近年、与えられた仕事をこなすだけでは成果や貢献感が感じづらくなっているため、働き手が自らやりがいを創り出すことが重要になっています。

働きがいを感じられるようになることでモチベーションや生産性の向上が期待できるので、ジョブクラフティングを行うことは、個人にとっても組織にとってもメリットが大きいといえます。

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